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日本とベトナムで年末年始はどう違う?

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2021年01月29日

*By KOKORO(毎日新聞社+VAIJなど主催、在ベトナム日本国大使館など後援)

1か月前に日本にやってきたお正月(テト)は、もうすぐベトナムにやってきます。日本人とベトナム人で年末年始の過ごし方はどう違うのか?またどんな考え方が同じなのか?この機会にまとめてみました。

同じ点

ベトナムのテトは、親しかった故人や先祖のことを想う機会でもあります。この文化はベトナム人だけでなく日本人も同じです。

日本人は大みそかには家族で集まります。大みそかに食べる食事は比較的控えめで、ベトナムのように豪華にしない家庭が多いです。多くの家では“年越しそば”という麺料理を食べます。料理の名前が示す通り年を越す=長生きするという意味合いが込められています。ただ最近では、大みそかにごちそうを食べる家庭も増えています。

日本にも“年を重ねる”ということを祝う文化があり、神社やお寺に初詣に行き、おみくじを引きます。年始には黒豆やレンコンなど縁起の良いとされる食材の料理を食べます。「なぜレンコンを食べるの?」と思う人もいると思いますが、レンコンには多くの穴が空いていて、そこから“先(将来)が見通せる”という意味合いがあると信じられているのです。またニシンの卵であるカズノコは“子宝に恵まれる”という縁起もので、年始にはそれにあやかろうと食べる文化があるのです。

元旦に初詣に向かう行列

年越しそば

私の友人には「ベトナムのテトが世界的にユニークなのは、タオ クアン(ベトナムのテレビ番組)があるからだ」と冗談めかして言う人が多いのですが、残念ながらそれは間違っています。日本にもタオ クアンと同じく毎年大みそかに“紅白歌合戦”という番組があり、年越しの象徴ともいえる番組になっています。

違う点

ベトナムのテトでは、各地方から大都市へショッピングのために人がどっと押し寄せます。また各省(日本でいう「県」にあたる)から会議やパーティー、賀詞交換会に出席するために都市部に集まるのが恒例となっています。そのため大都市であるハノイやホーチミンの道路は大渋滞となり、市民の悩みの種になっています。

日本では、お正月に混雑するのは大きな神社の周辺など一部の限られた場所のみで人々の生活に大きな支障を来すほどではありません。ただ、年末にはお世話になった人に“お歳暮”を贈る文化があり、そのため年末にはお歳暮を買い求める人で小売店は混雑し、配送業者は大忙しとなります。

また、都市の大きな駅ではいつもと比べて人出が多くなります。しかし、みな整然と列に並ぶなど秩序ある行動をとるので「年末年始はこれだから…」とうんざりすることはほとんどありません。

テトのテーフック橋

ベトナム人の多くは、テトとなると“美しさと独特さ”の両方を兼ね備えた盆栽を入手したり高価なワインを何本も買ったり、家の修繕や新しい家具を揃えたりします。誰もがテトの間にもてなす客のために広々としたキレイな客間にしたいと思うためです。

対照的に日本は、年始は静かで簡素なおもむきがあります。お正月の準備はお節料理と門前に飾る“門松”や“しめ飾り”を用意するぐらいの出費しかありません。門松は“門前の松”と書き、三本の竹を中心にして周囲に松の枝を配置し、その下を藁で巻いた形が一般的です。新年、門前に門松を立てることで先祖や神様を迎え入れるという意味合いがあります。またしめ飾りには魔除けの意味合いがあり、両方とも精神的に非常に重要な意味のある飾り付けなのです。

テトのハノイ。みな国旗を揚げている

門前に飾るしめ飾り

もう一つベトナムと大きく違う点は服装です。ベトナム人はテトになると、ここぞとばかりに着飾ります。子どもたちには新しい服を買い与え、男性はスーツ、女性はいつも以上にオシャレをします。日本人も一部の人は和服を着てお正月の雰囲気を出しますが、多くの人は正月だからといって服を新調して着飾ることは少ないです。この違いは両国にとって“年始”というものの意味合いが根本的に違うからだと思います。ベトナムではテトはいわば“春の訪れ”ですが、一方日本の正月は“1年で最も寒い時期”にあたります。そのため日本人の正月はオシャレよりも防寒を優先する服装になる、という一面があります。

テトではいつもより着飾る

また新年のあいさつの方法も両国で異なります。日本人はよく新年になる“前”に年賀状というハガキを書いて友人や親族に送ります。年賀状は旧年の12月25日ごろまでに郵便局やポストに投函すると元旦に相手に届きます。それより遅い28日ごろ以降に出すと1月3日か4日ごろに届くことになります。この素敵な日本の文化は主に年配の世代間で続けられています。若い世代はSNSやメールなどで新年のあいさつを済ませることが多いようです。

年賀状

一方、ベトナム人は新年になるまでテトの“あいさつまわり”は待たなければなりません。(ベトナム人なら常識ですが)テトのあいさつまわりは、知り合いの家から家へ渡り歩くとても楽しく盛り上がる行事なのです。こういった光景は最近の日本ではほとんど見かけません。その理由は、日本人にとって正月とは“休み”であり“家族と過ごす時間”でもあるからです。もし正月のあいさつまわりをするとしても、それは家族・親族の間だけの規模の小さいものなのです。

テトを家族で祝う(ハノイ)

ベトナムの大みそかは花火を上げたりカウントダウンをしたり、年が明ければハイ ロック(お寺や神社の枝を摘み取って持ち帰ること)や寺院でお香を焚いたりお供え物を捧げたり…。一方日本の年越しは旧年と新年の2年にまたがって“除夜の鐘”というお寺の鐘を108回打ち鳴らします。人が持っているといわれている108の煩悩(ぼんのう)を和らげ、取り払うと信じられています。同時に旧年を送り新年を迎える意味合いもあると言われています。多くのお寺では一般の参拝者も鐘を鳴らすことができます。

除夜の鐘を鳴らす参拝者

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