日本で暮らす

Vol. 13 「ベトナム人コミュニティ」

2021年03月23日

*By KOKORO(Báo Mainichi+VAIJ v.v. ; Đơn vị hỗ trợ:Đại sứ quán Nhật Bản tại Việt Nam v.v.)

在日ベトナム人協会(VAIJ)

一般社団法人・在日ベトナム人協会(VAIJ)はベトナムと日本の両政府から公認されている数少ない在日ベトナム人コミュニティ団体の一つで、在日ベトナム人たちを取り巻く状況の変化に対応するため、2018年に法人化しました。VAIJは様々な在日ベトナム人コミュニティをつなぎ、助け合い、在日ベトナム人たちのあらゆるニーズに対応することを目指しています。

1.設立の背景と活動目的

社団法人設立の背景

VAIJの前身はベトナム戦争中に設立された在日ベトナム学生総会という団体です。ベトナムが南北に統一されて以降、在日ベトナム学生総会は様々な理由から活動の幅を狭めていました。しかし、近年、在日ベトナム人が急増を続ける一方で、日本社会に関する情報や知識(制度、法律、文化など)が不足し、日本での生活が困難になっている人も増えています。中には、悲惨な状況に陥ったり犯罪に巻き込まれたりするケースもあります。

現在、日本にはベトナム人が立ち上げたグループが多数あり、それぞれの特性に応じた様々なイベントや活動を行っています。在日ベトナム仏教信者会や在日ベトナム学生青年協会(VYSA)といった大きな組織もあり、SNS上ではSugoiやiSenpaiなどのコミュニティサイトもあります。しかし、いまだに解決しきれない問題も数多くあります。そのため、VAIJは日本で助けを求めているベトナム人たちのニーズに的確に対応できるような組織に変わるために2018年に法人化し、他の在日ベトナム人グループとの協力強化を目指しました。

VAIJの活動目的

VAIJには主に下記2つの活動目的があります。

(1)在日ベトナム人コミュニティの助けになること

(2)日本とベトナムの経済および文化の交流に資すること

2.在日ベトナム人コミュニティ支援

VAIJの活動目的のうち「在日ベトナム人コミュニティの助けになること」について具体的な取組を紹介します。

生活・医療・健康に関する相談窓口を設置

在日ベトナム人の様々な相談に応じる窓口です。

  • 2020年の相談…6,000件以上(うち4,000件以上は新型コロナウィルス関連)
  • 健康管理講座も開催

ホットライン:050-6874-8385

実用的で正確な情報を発信

在日ベトナム人のために実用的で正確で信頼できる情報を発信しています。

  • VAIJの公式HPやFacebookファンページ…Facebookでは毎月40回以上投稿(毎月138,000回以上のアクセス)
  • 毎日新聞社と共同主催で当サイトKOKOROを運営

VAIJのFacebookファンページ

格安通信サービスSIMVANG

SIMVANG は日本で働き、生活するベトナム人たちの生活費を少しでも軽減しようという趣旨で運営されている高品質・低価格の通信サービスです。平時でも緊急時でも安定した通信を提供します。

イベント企画・参加やチャリティー活動

VAIJは様々なイベントを企画したり参加したりしています。

  • 毎年恒例の「ベトナムフェスティバル」に2020年も参加
  • 新型コロナの影響を受けた優秀な学生たちに支援金を支給
  • 在日ベトナム仏教信者会主催の「新型コロナウィルス困窮者支援プロジェクト」に参加し、寄付を実施。

3.日越の経済・文化交流促進

「日本とベトナムの文化および経済の交流に資する活動」については、次のようなものがあります。

  • 多くの企業・団体の貿易事業に対して助言
  • 人材分野で信頼と実績のある企業をリスト化する「ホワイトリスト」の作成
  • 2019年には、東京と大阪で300以上の企業や経済団体が参加した経済交流会「Asia Business Creation Platform」を企画。
  • 2020~21年の年末年始に、就職活動イベントを東京・大阪・名古屋で計6回、共同主催。

在日ベトナム人の生活がより安全で豊かで充実したものになるよう、これからも努力していきます。引き続き日越両国の団体や個人の皆様からのご支援をお願い致します。

各地のベトナム人コミュニティ 

VAIJ、在日ベトナム仏教信者会、VYSA、BETOAJIなど活動歴の長い組織以外に、在日ベトナム人の増加に伴って日本各地にベトナム人の団体やグループが増えています。これらの団体やグループについて紹介します。

1.各地のベトナム人協会

茨城県ベトナム人協会の無料法律相談会

ベトナムと日本の両政府から公認されている一般社団法人・在日ベトナム人協会(VAIJ)以外に、日本各地に地域のベトナム人協会があります。2019年以降に設立されたものが多く、活動実績はさまざまですが、活発に活動している団体もあります。

例えば、茨城県ベトナム人協会は2020年1月のテト(旧正月)の祝賀会(約200人参加)を機に発足し、2020年の1年間に下記のような活動を行いました。また、2021年にはボランティア日本語教室も始めました。

・ Facebookで新型コロナなどの情報を発信

・ 新型コロナで生活に困っているベトナム人への食料支援

・ サッカー大会、バレーボール大会

・ 弁護士を招いて無料相談会(7月~12月に計6回)

在仙台ベトナム人協会(SenTVA)は活動実績が長く、テトや花見など各種イベントを活発に開催しています。また、宮城県仙台市で大規模な日本語教室を開いています。新型コロナで困っているベトナム人への支援も行ってきました。

2.様々なベトナム人グループ

地域のサッカーチーム

日本各地にベトナム人のサッカーなどのスポーツチームが増えています。エンジニア、技能実習、学生など職業に関わりなく、地域の仲間が集まって河川敷などで週末に練習や試合をしています。多くのベトナム人が働く職場では、職場仲間でチームをつくることもあります。最近は、VYSAや地域のベトナム人協会などが主催するスポーツ大会も増えてきました。

同郷グループ

ベトナムでの出身地が同じ人が集まるグループもあります。例えば、愛知県名古屋市には「愛知県在住ナムディン出身者の会」というFacebookグループがあり、宴会などを頻繁に開催しています。「愛知県在住」という名前ですが、他県のナムディン省出身者も参加しています。

ボランティア日本語教室

各地に行政や地域が主催する無料や低額の日本語教室があり、ボランティアの日本人講師が教えています。日本語を習うだけでなく、他のベトナム人と知り合ったり、国際的な人のつながりができたり、さまざまな相談に乗ってもらえたりすることもあり、日本で暮らすための基礎作りに役立ちます。

市役所などの外国人支援や国際交流を担当しているセクションか、各地の国際交流協会または国際化協会に問い合わせてください。

全国の国際化協会や国際交流協会

U-Biq(全国のボランティア日本語教室)

在日ベトナム学生青年協会(VYSA) 

VYSA(Vietnamese Youth and Student Association in Japan=在日ベトナム学生青年協会)は、在日ベトナム人の学生・青年を代表する非営利団体の中で在日本ベトナム大使館から公認されている唯一の組織で、2001年10月11日に設立されました。VYSAは在日ベトナム人の若者たちの重要な交流基板として機能しています。

1.活動方針と各地の支部

全国各地に支部

➢ VYSA北海道

➢ VYSA仙台

➢ VYSA福島

➢ VYSA新潟

➢ VISA(本部)=首都圏と周辺

➢ VYSA東海=中心は名古屋市

➢ VYSA京都

➢ VYSA大阪

活動目標

支部ごとに特色がありますが、下記の共通目標のもとで活動をしています。

  • レクリエーションなどを通じた在日ベトナム人同士の交流

  • 学習・仕事・生活のサポート

  • ベトナムの民族文化を守り、日越の文化交流の架け橋となる

2.多彩な活動

VYSAの様々な活動を紹介します。

テト(旧正月)のイベント

テトには支部ごとに催しを企画します。ミスアオザイ・コンテストやべトナムの獅子舞、伝統舞踊、伝統音楽など内容はさまざまです。また、これらのイベントでは、ベトナムの伝統的な正月料理も振る舞われます。多くの支部では日本人の参加も歓迎しています。

季節ごとの交流行事

日本には四季折々の自然を楽しむ習慣があります。VYSAの支部も花見やバーベキューなどの季節イベントを行っています。日本人が参加できるイベントもあります。

スポーツ大会

各地の支部が在日ベトナム人のスポーツ大会を開催しています。もともと各地のベトナム人が週末に集まってサッカーやバレーボールなどの練習や試合をしていますが、VYSAは大会を主催してチーム同士の交流を促進しています。

日越文化交流イベント

VYSA関東やVYSA大阪などはスピーチコンテストやミスコンも開催しています。「日越スピーチコンテスト」はベトナム人の日本語スピーチや日本人のベトナム語スピーチの発表会です。「MISS VISAコンテスト」や「VYSA大使コンテスト」は若い女性が知性や美しさを競います。コンテストは日本とベトナムのメディアに取り上げられています。

ジョブ・フェア(就職サポート)

VYSAが毎年開催するジョブ・フェアには、ベトナム人を採用したい日本企業の参加が年々増えています。全国のベトナム人大学生や専門学校生が参加し、実際に就職に結びつくケースも多数出ています。

VYSAジョブ・フェアの様子

日越科学技術交流会議(VJSE)

日越科学技術交流会議(VJSE)は医学、化学、物理、経済、社会学など各分野の研究発表会です。VYSAが毎年開催し、日本、アジア各国、オーストラリアの研究者や大学院生が参加しています。

ベトアジ(BETOAJI) 

BETOAJIという名称は「ベトナムの味」を略したものからきています。BETOAJIは2012年に発足し、さらなる発展を目指して2020年7月に一般社団法人になりました。

1.活動目的

各地の支部と連絡先

2020年8月現在、BETOAJIには、仙台、新潟、長岡、東京、名古屋、神戸-大阪、広島の計7つの支部があります。

公式サイト

https://betoaji.org/

公式フェイスブック

https://www.facebook.com/betoaji

YouTube

https://www.youtube.com/channel/UC-Hmk-5jI724NgWjX0insjg

活動目的
  • ベトナムの料理や文化を世界の人たちに紹介する

  • ベトナムの貧しい子どもたちを支援する

  • 在日ベトナム人の若者たちを含む参加者間の交流の場を作る

2.チャリティー料理教室など

BATOAJIの活動内容を紹介します

チャリティー料理教室

各支部が毎月、ベトナム料理教室を開催しています。各支部のボランティア・スタッフが料理の先生役や会場予約、レシピの作成・翻訳、材料買い出し、調理アシスタント兼通訳などの役割を分担しています。

料理教室の参加者の年齢・職業は多様です。また、日本人だけでなくさまざまな国籍の留学生や若いベトナム人も参加しています。各回の参加者は20~30人ですが、テト(正月)やクリスマスなどのイベントには50~60人の申し込みがあります。

料理教室の参加費は1人1,000~1,500円。経費を引いた残額はBETOAJI本部(東京)に集約後、ベトナムの山岳地域の貧困で学校に行けない子どもたちを支援するための基金に充てられます。BETOAJIのスタッフは文化交流と子どもたちの支援のために無償で活動しています。

チャリティー販売

料理教室では、ベトナムの土産物や伝統的な菓子も販売しています。これらの収益も子どもたちを支援する基金に充てられます。日本語の子ども向け絵本や教育絵本などをベトナム語に翻訳して販売する取り組みも行っています。

ベトナムの貧しい子どもたちに奨学金

BETOAJIは貧しくても学校に行って勉強したいという子どもたちの願いをかなえるため、ベトナム・ダクラック省エアスップ県とトゥアティエン・フエ省で「BETOAJI奨学金」を提供してきました(現在はエアスップ県のみで運営)。奨学金を受け取る子どもたち(奨学生)が大学を卒業するまで支援を続ける取り組みです。

2019年11月までの奨学生は通算40名(うち33名は中学・高校生、6名は大学生、1人は大学卒業)。中には、医科大学を卒業後、エアスップ県に戻って医療に従事している奨学生もいます。

日越文化交流

各支部は料理教室以外のイベントも開催しています。テトや中秋の名月、クリスマスなどの季節イベント、ベトナム料理文化フェスティバル、企業との交流会などです。これらのイベントでは、ベトナム料理の紹介に加え、ベトナムの歌や踊りを披露することもあります。その様子は各支部の地元メディアでも紹介されてきました。BETOAJIはこうした活動を通じて、ベトナム文化・料理の普及や参加者間の交流促進に貢献しています。

You Tubeチャンネル

2020年にYouTubeチャンネルBetoaji Mediaを立ち上げました。ベトナム料理の作り方を教える内容です。料理の手順以外に、日本でも買えるベトナム料理用の食材や調味料も紹介しており、日本語とベトナム語の字幕も入っています。

    人気記事ランキング

    Platinum Sponsor

    Bronze Sponsors

    • 弁護士法人Global HR Strategy
    • シューワ
    • エール学園

    後援

    • 在ベトナム日本国大使館
    • 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
    • JNTOハノイ事務所
    • 関西経済連合会
    • 公益社団法人 ベトナム協会
    • NPO法人 日越ともいき支援会
    • 一般社団法人 国際人流振興協会

    協力

    JASSO(日本学生支援機構)

    外国人労働者弁護団

    新着記事