日本で留学

Vol. 5 留学生の就活スケジュール

Screenshot_1 (2)
2021年03月24日

留学生の就活スケジュール

「エントリー」「合同説明会」「会社説明会」「エントリーシート」「履歴書」「筆記試験」「面接」「内々定」。留学生の就職活動の進め方の全体像と、エントリーシートや面接の成否を分ける「自己PR」や「志望動機」を書くための準備について解説します。活動が遅れがちな留学生が多いので、全体の流れを理解し、早めの準備を心がけましょう。

1.就職活動の全体スケジュール

大学3年からスタート

大学3年・M1
5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

インターンシップ説明会

夏のインターンシップ

秋のインターンシップ

合同説明会が多い(3月には大きな会社の単独説明会もある)

自己分析(価値観・興味・長所)

仕事(業界・職種・企業)の研究=検索、先輩訪問、企業訪問、インターンシップ

2022年卒業予定者の就活スケジュール

大学生の場合、日本での就職活動(就活)は3年生の最初から始まると考えてください。就職活動で一番大事なのは、自分にとってやりがいのある仕事を探すことです。自分の経験や知識、価値観をどのような分野で生かせばよいか、そのためにはどの企業のどの職種を目指すのがよいか、それを考え、研究する時期が大学3年生です。

また、3年のうちからインターンシップに積極的に参加しましょう。インターンについては、後で詳しく説明しますが、さまざまな職場や仕事を経験することで仕事選びのノウハウも高まり、自分の長所や課題に関する分析も深まります。そして、学年末に近付くと、いよいよ合同説明会などの会社説明会が始まります。就活の本格スタートです。

大学4年:エントリーシート提出→試験→面接

大学4年・M2
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

筆記試験・面接

内々定

春のインターンシップ

4年生になっても会社説明会は続きます。多くの場合、4~6月に面接がありますが、それより遅い時期でもインターンシップや面接はあります。なかなか内々定が出なくてもあきらめないでください。

就職活動にかかる時間

就職活動には時間がかかります。

・自己分析、会社探し……なるべく時間をかけて自己分析や会社探しをすることをお勧めしますが、短い期間でやろうとする場合でも会社探しには2、3カ月かかります。

・正式な採用内定をもらうと在留資格変更の手続きに入りますが、変更手続きには通常3カ月ぐらいかかるので、大学4年の12月ごろに申請を行います。

2.自己分析(己を知る)

就活では、自分にとってやりがいのある仕事、自分の能力や適性を発揮できる職場を探しましょう。日本では、あまりに短い期間で転職をくり返すと、再就職先の選択肢が減っていきます。採用する側が「この人を採用しても長続きするのだろうか」と不安になるからです。長く働き続けるためにも、仕事を通じてやりがいを感じ充実した人生を過ごすためにも、自分に合った仕事や職場を見つけることが大切です。

そのための第一歩が自己分析です。自己分析ができていないと自分に合った仕事も分かりません。自分の経験(学校生活、社会活動、アルバイトなど)を振り返りながら、下記のようなポイントをくり返し分析してください。

・自分の価値観
・自分の興味
・自分の能力(何が得意か、何ができるか)

3.仕事と企業の研究(相手を知る)

自分の価値観、興味、能力が見えてきたら、それに合う仕事や職場を探しましょう。それには、仕事や会社の内容を知らなければなりません。どのようにすれば、仕事や会社の内容を調べられるのでしょうか。

「なぜ当社で働きたいのですか?」

採用面接でよく聞かれる質問に次のようなものがあります。

✔︎「なぜ当社を志望するのですか?」
✔︎「なぜこの仕事をしたいのですか?」
✔︎「あなたはどうやって当社に貢献できますか?」

自己分析や会社分析ができていないと、これらの質問に的確に答えられません。逆に、十分な自己分析と会社分析を経て応募した会社なら、その会社があなたに合っている確率が高く、こうした質問にも的確に答えることができます。

会社と仕事の研究

やりたい仕事、行きたい会社を探すには、次のような角度から情報を収集し分析していきましょう。

業界研究

興味のある業界を広く調べましょう。その業界はだれに何を提供しているのか、その業界で自分のできる仕事は何かなどを調べます。その際、学生は消費者に商品やサービスを提供しているB to C(Business to Consumer)の業界だけに目を向けがちですが、企業向けに商品やサービスを提供しているB to B(Business to Business)の業界についても調べましょう。

企業研究、職種研究

エントリーシートや面接で「この業界の中でなぜ当社を志望するのですか?」と問われたときに説得力のある答えを用意できるよう、会社の事業内容や強み、社風、他社との違いなどをしっかり調べましょう。当然、その会社にどういう職種があるのかも知らなければなりません。そのためには、例えば次のような方法があります。

✔︎ インターネットで情報を集める
✔︎ 先輩に聞く(できれば、先輩に会って聞く)
✔︎ 会社説明会に参加する
✔︎ インターンシップでその会社か同業他社で働く

大学での専攻と就職の職種

学校での専攻と就職先の職種

留学生の場合、学校で専攻した内容と就職での職種が合致しないと、技術・人文知識・国際の在留資格を取得できないことがあります。在留資格の関係で自分にできる仕事とできない仕事があることに留意してください。

留学の専攻と就職時の職種

特定技能

また、中には日本で働くのは数年と決めている留学生もいることでしょう。その場合、「特定技能」という在留資格を目指す留学生も増えてきています。日本語能力試験(JLPT)・N4以上と働きたい産業分野の技能測定試験に合格し、企業と雇用契約を結べば、特定技能の在留資格を取得する条件がそろいます。

特定技能について何でも分かる

留学生の就活スケジュール

4.インターンシップ

自己分析が進み、仕事の研究にも役立つ

大手人材会社「マイナビ」の調査によると、2020年卒業の大学生の約80%がインターンシップに参加しました。1人がインターンシップをする会社の数は平均3・6社です。インターンシップは大学や専門学校のキャリア支援室(キャリアセンター、就職支援室)で紹介してもらえます。

自己分析を進める上でも仕事の研究を深める上でもインターンシップは重要です。>アルバイトとは違う種類の仕事も体験できます。実際にその仕事をしてみることで、その仕事が自分に向いているかどうか、自分にはどのような長所や課題があるのか、どんな仕事が自分に向いているのか、会社を選ぶ際には何に着目したらよいかなど、さまざまなことが見えてきます。

✔︎ 仕事内容を具体的に理解できる
✔︎ 自分の長所や課題が分かる
✔︎ 仕事に必要な知識・能力・スキルがわかる
✔︎ エントリーシートや面接でPRするための経験にもなる
✔︎ さまざまな助言をもらえる
✔︎ 会社を見る目が養われる

採用型のインターンと体験型のインターン

人材不足(採用難)に伴い、インターンシップを実施する企業は増えています。面接だけでは人物を的確に評価しきれないケースも多いので、ミスマッチを防ぐため、企業がインターンシップを実施して有望な学生を採用するのです(採用型インターン)。一方、採用枠のない企業が学生に体験の場を提供するためにインターンシップを実施している場合もあります(体験型インターン)。

2カ月のインターンを経て内定を得た先輩留学生の体験談

日本のインターンシップの特徴

・短いインターンも多い。1日だけのインターンもある。
・学生がお金を払うことはない。逆にお金をもらうことはあり、その場合は、アルバイトと同じで1週間28時間以内。

5.履歴書とエントリーシート

履歴書とエントリーシートの違い

履歴書は自分のデータや経歴を示す書類で、履歴書に記載した氏名、生年月日、学歴などが従業員データとして使われます。また、履歴書は公的書類のため、虚偽を記載した場合は、採用取り消しや解雇の原因にもなり得ます。

エントリーシートは採用選考の重要資料です。多くの場合、志望動機や自己PR、学生時代にがんばったことなど、選考するために知りたい項目を企業が設定します。

エントリーシートと履歴書の内容重複はOK

選考前にエントリーシートと履歴書の両方を提出させる企業もあります。エントリーシートと履歴書は使う目的が違うので、内容にある程度の重複があっても構いません。

エントリーシートにと履歴書の両方に「自己PR」や「志望動機」の欄がある場合はどうしたらいいでしょうか?選考ではエントリーシートを中心に使うので、エントリーシートに詳しく書き、履歴書には、エントリーシートに書いた内容を要約して書いてもいいでしょう。

中には、履歴書だけでエントリーシートの提出を求めない企業もあります。その場合は、履歴書に自己PRや志望動機を詳しく書き込んでください。

手書きの履歴書

手書きの履歴書提出を求められた場合は、履歴書を通して記入の正確性や仕事のていねいさなどを見られます。誤字・脱字に注意し、間違えた場合は、なるべく最初から書き直すようにしましょう。

6.エントリーシートの書き方

自己PRと志望動機

エントリーシートでも面接でも最も重視されるのが「自己PR」と「志望動機」です。

①自己PR

自己PR欄には、自分の長所や経験、売り込みたいポイントを少なくとも2、3点盛り込んでください。自分の長所や目標について書く際は、受験勉強や部活動、社会活動、アルバイト、インターンシップなど自分の体験やエピソードと結びつけて説明してください。そして、体験・経験やエピソードは具体的に分かりやすく書いてください。

②志望動機

志望動機欄には、その会社の事業内容と自分の長所・経験とを結びつけ、自分がその会社のどの事業にどのように貢献できるか、どのような仕事をしたいかなどを具体的に書ければ、選考担当者の目にとまりやすくなります。面接の際にも、「志望動機」や「自己PR」の欄に書いたことをベースにして自分をPRするとよいでしょう。

志望企業の事業内容や強み、特色、社風を調べるためには、ウェブサイトの企業情報やその会社のホームページなどをまず調べましょう。また、ネットだけではなく、インターンシップに参加したり先輩を訪ねたりしてリアルな情報も収集するようにしてください。そのような努力はエントリーシートや面接に必ず生きてきます。

③その他の注意点

・他人のエントリーシートの丸写しに近い記述では、面接で質問された際に自分の長所や経験を相手にうまく伝えられません。自分の言葉で書きましょう。

・経験・体験はできるだけ具体的に書きましょう。

最大のPRは自分の人柄と経験

自分の経験やそこから得たことを文章に具体的に盛り込もう

就活では自己表現の仕方などノウハウだけにとらわれがちですが、最も重要なのはあなたの経験や蓄積、人柄です。勉強やアルバイト、社会活動など、あなたがまじめに取り組み真剣に努力した経験があれば、それを大事に考え、自信を持って売り込んでください。逆に、これから留学する人やまだ留学歴の浅い人は、就活にも役立つように、学習や経験、交流などを積み重ねてください。

7.エントリー・試験・面接・内定

エントリーシート

興味のある企業が見つかったら、人材会社のサイトなどを通じて「エントリー」という手続きをします。1人が平均20~30社にエントリーしています。エントリーしたからといって、会社説明会への参加やエントリーシートの提出を義務付けられるわけではないので、多めにエントリーするとよいでしょう。人材会社のサイトから企業にエントリーした後、その企業からエントリーシートの提出を求められることもあります。その会社に就職したい場合は、応じましょう。

3月までは主に会社説明会だけで、選考はその後です。このため、エントリーシートの提出は4月以降が大半です。

筆記試験

エントリーシートでの書類選考を通過すると、筆記試験を受けます。試験は、語彙力や読解力を問う「言語」、計算力などを測る「非言語」、「性格・適性」の3カテゴリーに分けられます。「英語」「時事」「作文」などを課す企業もあります。

面接

書類選考と筆記試験を通過すると、いよいよ面接です。面接には下記のような形式があります。

・個人面接…学生は1人。15~20分。
・集団面接…2、3人同時に面接を受ける。一次面接に多い。
・グループディスカッション…与えられたテーマについて数人で議論する。

「あなたはいつまで日本で働きますか?」

留学生の場合、志望動機や自己PR以外に面接前に準備することがあります。それは「あなたはいつまで日本で働きますか?」という質問への答えです。KOKORO編集部が取材した留学生の中には永住OKという人もいますが、「いつか母国に帰る」と考えている人の方が多数でした。

このことはエントリーシートに書く必要はありません。しかし、外国人留学生の場合、面接で高い確率で聞かれる質問です。いつごろ母国に帰るつもりかについて自分の計画を正直に伝えるべきか否か、悩むところですし、返答に対する会社の反応もさまざまです。しかし、どう答えるか考えておかないと、面接で急に聞かれても適切に答えられません。準備が必要です。

内定

採用内定が出れば、特別な事情がない限り、卒業後にその会社に就職できます。正式な内定の前に出される「内々定」も内定とほとんど同じ意味で用いられます。約8割の学生が大学4年の7月末までに1社以上から内々定をもらうという調査結果もあります。特に中堅・中小企業の採用は大企業よりも先に進むことが多いので、情報入手と早め早めの行動を心がけてください。

    人気記事ランキング

    Platinum Sponsor

    Bronze Sponsors

    • シューワ
    • エール学園

    後援

    • 在ベトナム日本国大使館
    • 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
    • JNTOハノイ事務所
    • 関西経済連合会
    • 公益社団法人 ベトナム協会
    • NPO法人 日越ともいき支援会
    • 一般社団法人 国際人流振興協会

    協力

    JASSO(日本学生支援機構)

    外国人労働者弁護団

    新着記事