日本で働く

日本で働く Vol.8 「技術・人文知識・国際業務」について “Bik tut(何でも分かる)”

働くサムネ_08
2021年03月24日

技術・人文知識・国際業務の総まとめ

bulb 【技術・人文知識・国際業務のポイント】

・対象業務=専門知識・技術を要する業務や国際業務(=単純作業は不可)
・要件=大学・短大か日本の専門学校を卒業、または一定の実務経験
・給与水準=同じ業務を行う日本人と同等以上
・家族の帯同ができる
・転職ができる
・永住権申請の条件になる「日本で就労5年以上」の就労年数に計上される

1.技術・人文知識・国際業務の特徴

エンジニアの職場の一例

外国人が日本で働く際の最も典型的な在留資格が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で、一般に「就職ビザ」とも呼ばれています。また、「技人国(ぎじんこく)」という略称で呼ばれます。原則としてホワイトカラーの仕事を行うための在留資格で、多いのは「エンジニア」「通訳」「翻訳」などです。

技術・人文知識・国際業務の要件

この在留資格を得るには、大学・短大か日本の専門学校以上を卒業するか一定の実務経験が必要です。

1 学歴要件

・大学または短大を卒業(日本、海外のどちらの大学でもよい)

・日本の専門学校卒業

※ただし、日本の大学や専門学校に通っている間の出席状況やアルバイト時間(法律で決められた時間を超過していないか)などが在留資格の変更審査の際に重視されます。

2 実務経験

・上記の学歴がない場合でも、10年以上の実務経験(大学や専門学校、高校でその実務に関する知識・技術に関係する科目を履修した期間があれば、それも含める)があれば、技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得できます。

・「翻訳」「通訳」「語学指導」「広報」「宣伝または海外取引業務」「服飾または室内装飾に係るデザイン」「商品開発等」については3年以上の実務経験でOKです。

雇用形態、家族の帯同、転職など

①雇用形態

・フルタイム。雇用期間は最低1年。正社員、契約社員、時間給社員など雇用形態はさまざま。

②給料水準

・同じ社内の同種業務の日本人と同等以上の給料

③家族の帯同

・家族を日本に連れてくることができる

④転職

・転職ができる

⑤永住権の要件

・「永住者」の在留資格取得に必要な「日本で続けて5年以上就労」という条件の就労期間に算入できる在留資格。技能実習や特定技能1号で働いた期間は永住権申請の際の勤続年数に算入されませんが、技人国や特定技能2号で5年以上続けて勤務した場合は算入されます。「永住者」の在留資格を得るには、「日本に続けて10年以上在留」「素行が善良」なども必要です。

2.技術・人文知識・国際業務の対象業務

対象となる業務

①技術

・外国語を使う業務かどうかは関係なし

・大学や専門学校で学んだ自然科学系の技術や知識を使う業務(理系)

・具体例=IT技術者(プログラマー、システムエンジニア)、WEBデザイナー、設計・研究開発部門、工事現場のスーパーバイザー、工場の生産管理者(自ら作業はしない)

②人文知識

・外国語を使う業務かどうかは関係なし

・大学や専門学校で学んだ法律学、経済学など社会科学系の知識を使う業務(文系)

・具体例=経理、法務、営業、財務、人事、総務、企画、貿易業務

③国際業務

・外国語を日常的に使う業務、外国の文化に基づく思考や感受性を必要とする業務

・具体例=貿易業務、企業の海外拠点・取引先との連絡業務、外国人客の多い免税店・ドラッグストア等の小売店(飲食店・コンビニは除く)、現場で働く技能実習生や外国人留学生の管理・通訳業務、ホテル(フロントか外国旅行会社との連絡業務に限る)、旅行会社、外国人向け不動産会社、通訳・翻訳会社

④クールジャパン関連業務(アニメまたはファッション・デザイン分野)

・日本の大学・専門学校でアニメやファッション・デザイン関連のコースを卒業し、これらの知識を用いておこなう業務(アニメ制作、ゲーム等のキャラクターデザイン、ファッション・デザインなど)

できない業務

①技術・知識・感受性を要する仕事に限定

・「技術・人文知識・国際業務」は原則としてホワイトカラーの仕事を行うための在留資格です。工場などでも働けますが、専門技術・知識を伴う仕事でなければならず、単純作業だけの仕事はできません。「国際業務」についても、外国の文化や感受性を使う仕事を指します。そのような知識や感受性を使わない仕事は、この在留資格ではできません。

②できない業務

・認められない仕事の例=飲食店のホールスタッフ、調理スタッフ、コンビニ販売員、建設現場、警備員、工場労働者、農林水産業の現場作業、ホテルでの清掃・ベッドメーキング、ヘアサロン、マッサージ

3.留学時の専攻と職種の整合性

日本の大学や専門学校を卒業して日本で就職する場合、最も多い在留資格が「技術・人文知識・国際業務」ですが、実は留学先の教育機関の種類や専攻によってこの在留資格に円滑に変更できる場合とそうでない場合があります。これを知らずに留学すると、日本で希望の職業に就けない場合もありますので、ご注意ください。

学校や専攻の選び方で就職先が限定される

留学を終え「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就職したい場合、大学や専門学校で学んだ「技術」「人文知識」の内容(専攻)と合致した仕事に就くことができます。

①大学卒業の場合

その仕事が自分の専攻と合致しているかどうかについては、大学であれば広く判断され、専門学校であれば狭く判断されます。例えば、大学の文学部、法学部、経済学部などのどこを卒業しても「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就職できる仕事の種類はあまり変わりません。そして、この場合の「大学」は日本の大学に限られず、ベトナムの大学を卒業している場合も、日本の大学を卒業した場合と同じように取り扱われます。

②専門学校卒業の場合

一方、専門学校卒業の場合は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請する際に、専門学校での専攻と仕事内容との関連性が細かく審査されます。実際、日本で採用内定をもらったのに、専門学校の専攻と職種の関連性が認められず在留資格を取得できない事例がたくさんあります。日本の専門学校に進学する際は、将来の仕事のことを考えて慎重に選択しなければなりません。親切な専門学校であれば、入学前にコース選択の相談に乗ってくれますので、利用しましょう。

※「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働くベトナム人は日本で就職活動をした人たちばかりではありません。先輩たちはさまざまなルートでこの在留資格を取得しています。次ページで実例を見てみましょう。

技人国(ぎじんこく)への様々なプロセス

1.技人国を取得するための様々なプロセス

地域の祭りに参加するベトナム人エンジニアたち

技術・人文知識・国際業務に至る様々なプロセス

ベトナムで就職活動をして日本で「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働く先輩や、留学するまでに回り道をした先輩もたくさんいます。先輩たちの実例を参考に、あなたの将来について広い視野で考えてみてください。

① 技能実習→帰国→留学→正社員

技能実習を修了してベトナムにいったん帰国後、再び訪日して留学するケースもあります留学費用(学費+生活費)をアルバイトだけでまかなうのは困難です。そこで、留学をあきらめて技能実習を選択する学生も多いことでしょう。しかし、技能実習で貯めたお金の一部を使ってもう一度日本に来て留学し、日本で就職するパターンも増えてきています。

② ベトナムで採用され日本へ(エンジニア)

ベトナムで日系企業や日本企業の求人を探し、ベトナムで採用されて日本で働くケースも昔より多くなっています。主にエンジニアの仕事です

③ ベトナムで採用され日本へ(総合職)

学歴や言語スキルが高い外国人材を求めて日本企業が海外で行うジョブフェアなどに参加し、日本の企業に就職する学生もいます。

④ 留学を終えて日本で就職

ポピュラーなパターンですが、多くの留学生が十分なキャリアプランを立てずに訪日しています。留学前に知っておくべき大切なポイントを下記でお伝えします。

それでは、このページで①~④の実例や注意点を紹介していきます。

2.技能実習→帰国→留学→正社員

技能実習を終えて帰国後、留学生として再訪日

カインさんは高校卒業後、地元のナムディン日本語日本文化学院で1年半以上勉強してから技能実習生として日本に行きました。技能実習(建築)の3年間も、ボランティア日本語教室に通うなどして日本語に磨きをかけました。

技能実習を終えて帰国してから1年半後、ナムディン学院と提携する南九州大学(宮崎県)で留学を始めました。大学では酒造について研究し、卒業後、宮崎県の酒造メーカーに就職しました。将来は日本で学んだ酒造に関する知識や技術を生かし、ベトナムで酒造メーカーを立ち上げるのが夢です。

親に頼らず留学

・カインさんは技能実習生として日本に行くための費用は親に工面してもらいましたが、技能実習の給料で借金を返し、さらに貯金をしました。2回目に訪日した際の留学費用はその貯金の一部とアルバイトでまかないました。外国人留学生の授業料を半額にしてくれる大学を選んだことも正解でした。

注意点は、技能実習の際に入管に提出する履歴書と留学の際に提出する履歴書の記載事項(経歴)が異なっていると、留学の在留資格を取得できない場合があるので、技能実習の際によい送出機関を選んでください。

送出機関の選び方

3.ベトナムで採用され日本へ(エンジニア)

ハノイで就職活動し、日本で勤務

ベトナムで大学を卒業したタンさんはベトナムで日系企業に就職。長期研修で初めて日本に行き、通算16カ月間滞在するうちに日本語も勉強しました。その後、この会社の事業縮小に伴い退職しましたが、ベトナムの人材会社を通じて別の日本企業に就職しました。面接はハノイで行われましたが、勤務地は日本。再び訪日して間もなく、ベトナムで結婚したばかりの妻も日本に呼び寄せました。家族を日本に連れていけるのが技人国のよい点の一つです。その後も、よりよい仕事を求めて日本で2回転職しました。「技人国」だと転職も自由です。

学歴要件に注意

日本での外国人エンジニアの仕事は多く、タンさんのようにベトナムの人材会社を通じて求人を探せば見つかります。その場合、一度も日本に行ったことがない人でも、いきなり日本で働ける可能性があります。注意点の一つは学歴で、ベトナムの大学か短大を卒業している必要があります。もう一つは日本語です。最初の日系企業の面接はベトナム語でしたが、2社目の面接(面接場所はハノイ)の言語は日本語でした。

タンさんの体験談

4.ベトナムで採用され日本へ(総合職)

海外のジョブフェアに参加し日本の有名商社に就職

ベトナムの大学や大学院で日本の政治・経済や日本語を勉強したアインさんは英語も日本語も不自由なく話せます。学生時代、交換留学などで2回に渡り計1年余り東京大学に留学しましたが、日本語は主にハノイで習得しました。修士課程修了後はハノイの日系企業で2年間勤務。その間に、日本の人材会社が日本企業への人材を集めるためにシンガポールで開催したジョブフェアに参加し、日本の有名商社に就職しました。アインさんは現在、東京に住んでいますが、ベトナムへの長期出張もあり、やりがいのある社会人生活を送っています。

アインさんからのメッセージ

アインさんは「日本語力を生かして働くなら、日本で働く方がポストも多く、給料もよいと思います。また、ジョブフェアを利用すれば、自己負担なしで外国で面接を受けられます」と話しています。アインさんは体験談で自分が参加したジョブフェアの種類や採用面接の準備方法も紹介しています。

アインさんの体験談

5.留学を経て日本で就職

自分で研究してキャリアプランを立てよう

留学あっせん会社に留学プランを一任する学生がたくさんいます。その多くがベトナムで半年~1年日本語を学んでから日本の日本語学校に留学します。その後は、専門学校に行くことが多く、専門学校卒業後に日本で就職する学生もいれば、大学や短大に進学してから就職する人もいます。また、就職せずに帰国する人もいます。

しかし、留学の様々なパターンを知ると、自分に適したコースが見えてきます。例えば、次のような留学の仕方が効率的であることも分かってきます。

ベトナムでよい日本語学校を選び、1~2年かけてしっかり勉強してから日本に行く。

日本の日本語学校の新学年は4月入学が一番多く、次に多いのが9月入学ですが、何月に入学しても卒業は3月です。4月入学の場合は卒業まで通常2年、9月入学の場合は1年半です。9月入学を選ぶだけで半年分の学費と生活費を節約できます。学校によってはさらに短いコースを提供しているケースもあります。

ある程度の日本語力をつけてから訪日し、日本語学校でさらに勉強すると、専門学校に行かずに大学に進学することが可能です。ただし、日本留学試験(EJU)の対策も必要です。

先輩たちの様々なパターン

先輩たちの体験談から様々な留学パターンがあることが分かります。中には、ベトナムの高校を出て日本の大学に直接入学した事例もあります。留学あっせん会社に任せきりにせず、いろいろな事例を知って自分なりの目標を立てましょう。

①ベトナムの大学卒業の場合

・ベトナムの大学で日本語を勉強・卒業→日本の専門学校(2年)→日本で就職

・フエ外国語大学→日本の日本語学校(2年=在学中にフエ外大卒業)→日本の専門学校(1年)→日本で就職

・ベトナムの大学で日本語を勉強・卒業→日本の専門学校(2年)→日本で就職

②ベトナムの高校卒業の場合

・ベトナムの高校+日本語学校(10カ月)→日本の日本語学校(1年半)→日本の専門学校(3年)→日本の大学(4年)→日本で就職

・ベトナムの高校→日本の大学(4年)→日本で就職

・ベトナムの高校+日本語学校(1年)→日本の日本語学校(1年半)→日本の大学(4年)→日本で就職

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