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履歴書の文例と解説:パート3

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2021年05月28日

By KOKORO(毎日新聞社+VAIJ主催、在ベトナム日本国大使館など後援)

 

 【Collaboration blog】

 

皆さん、こんにちは!

これまで4回に渡って履歴書の書き方を解説してきました。すべて読まれた皆さんは、履歴書の書き方がかなり改善されてきたのではないでしょうか。先輩留学生が実際に書いた履歴書の文例と編集部が手を加えた内容を比べながら、皆さんも「同じ間違いをしていないか」を意識して履歴書を書いてください。

これまで、履歴書作成のポイントとして

Story(物語)を作成する
結論とその理由を明確にする
5W1Hを意識する

といった注意点をお伝えしてきました。

そして、さらに大切なことは「あなたを採用しようとしている企業の目線で書く」ということでした。

あなた自身が企業の採用担当者としてあなたの履歴書を読んだときに「面接してみたい」「採用したい!」と思ってもらえるような文章を作成していきましょう。

それでは、今回も先輩留学生が実際に書いた文例を見ていきます。

※文例①~⑤は下記のブログで紹介しています。

external link 履歴書の文例と解説:パート1

external link 履歴書の文例と解説:パート2

文例⑥:長所

ケース➅: 「目標として決めたことは達成するまで行動する」

=ベトナム人、専門学校生(母国の大学卒)、日本語能力試験(JLPT)N2

原文:「私はいつも目標と決めたことは達成するまで行動します。目標を定めて最後までやることに自信があります。日本で生活をし、初めて経験することも多く、失敗もしました。現在、飲食店でアルバイトをしていますが、そこでも多くの失敗を経験しました。しかし、失敗を通じて人は成長すると考えています。就職後には多くの失敗、苦労が必ずあると考えています。しかし、私には日本で就職するという目標があります。この目標を達成し、そして日本とベトナムを繋ぎ、御社の海外事業の売上に貢献できるまで行動する気持ちを持っています。」

→→「目標を定めて最後までやることに自信」とありますが、具体的な経験や説明(story)が何も書かれておらず、説得力がありません。

→→「失敗」という言葉を多用していますが、「どのような失敗をし、どのように乗り越えたのか」という story がないので、単に「失敗が多い人」というマイナスのイメージになっています。また、「失敗」の反対語である「成功」や「挑戦」という言葉も活用することで印象がよくなります。

→→「日本で就職すること」が最終目標のように読めます、就職後の活躍を期待させるような文章を心がけてください。

以上の点を踏まえて、添削をしてみます。

修正例:『私の長所は目標を達成するまで行動し続けることです。日本生活では初めて経験することも多く、失敗もしてきました。アルバイト先の飲食店でも、最初は業務に慣れず、お客様や上司からおしかりを受けることもありました。しかし、例えば、レジの打ち方が分からなかった場合は、教えてもらった打ち方をメモして後で覚え直すなど、失敗をくり返さないように努力しました。すると、次第に仕事に習熟し、逆に不慣れな後輩を私がサポートすることも多くなりました。目標としていた「頼りがいのある従業員」になれたと思います。入社後も、挑戦と改善を続けて目標に近付いていく姿勢を大事にし、御社の事業に少しでも多く貢献させて頂きたいと思います。』

文例⑦:長所

ケース⑦:「向上心を持って行動する力」

=ベトナム人、大学生、JLPT・N2

原文:『私の長所は向上心を持って行動できることです。どんな仕事でも、可能な限り高いレベルに到達したいと考えています。ハンバーガーチェーンでアルバイトをしていたときは、自分の長所を認識してさらに伸ばすように努めました。苦手なことについては、マネージャーに相談して改善するようにしました。トレーナートレーニングコース終了後に向上心が認められ、クルートレーナーに任命してもらうことができました。貴社に入社できれば、この向上心を持って仕事に励み、貢献させていただきたいと思っています。』

【良い点】

「向上心」という単語は、多くの留学生が履歴書で使っています。この文例での注意点は、繰り返しお伝えしているように「企業の採用担当者から採用したいと思ってもらえるかどうか」ということです。

企業があなたの採用を検討する際、あなたの向上心は評価します。だれでも最初から仕事ができるわけではなく、仕事の能力を高めるための根気強い努力が必要ですが、それには向上心が大切だからです。ただし、向上心だけで行動力がないと、結果は出ません。そこで、企業は向上心も行動力も持っている人を採用したいと思っています。

この文例では、「向上心を持って行動できる」と書かれ、「向上心」と「行動力」の両方をアピールしています。次に必要なのは「向上心」や「行動力」を具体的に伝える story です。この文例では、アルバイト先で努力して課題を解決していくことで信頼を得てトレーナーに任命されたというstory が書かれ、「向上心」や「行動力」が具体的に分かります。採用担当者が読めば、筆者が入社後も向上心を持って努力し、会社で活躍するようになっていく姿を想像することができます。

【改善点】

「トレーナーになった」という結果が当初からの目標だったのか、たまたまたどり着いた結果だったのかで、意味が変わってきます。

目標を持って行動する場合は、意欲がさらに高まり、早く目標(結果)に到達できる傾向があります。新入社員がそのような人であれば、企業は、その人がほかの人より早く仕事の能力を高め、早く成果を出してくれることを期待できます。

この点を踏まえて文例を修正してみました。

修正例:『私の長所は向上心を持って行動することで、常に上のレベルを目指して努力します。例えば、大学時代にハンバーガー店でアルバイトをしました。店には「クルートレーナー」という役職があったので、私はそれを目指すことに決め、苦手なことや分からないことがあれば、マネージャーに相談してすぐに改善するなど、自らのサービス力を高められるように日々努力しました。すると、6カ月間のトレーニングコース修了後、クルートレーナーに任命して頂くことができました。その後、新しく入る後輩の指導も任されるようになりました。入社後も目標を設けて達成する努力を続け、自分の力を高めて貴社事業にできるだけ多く貢献したいと考えています。』

文例⑧:長所

ケース⑧: 「向上心を持って行動する力」

=ベトナム人、大学院生、JLPT・N2

原文:『私は何事にも「向上心」をもって臨みます。私は2年前から現在まで大学のベトナム人フットサルサークルの部長として活動しています。私たちのチームは初心者ばかりの寄せ集めで、なかなか試合で勝つことができませんでした。ですから、私は毎週、大学に所属しているほかのチームを誘い、一緒に練習するという企画を提案しました。練習のスケジュールをはじめ、練習方法を考えたり、コートを予約したり、マネージャーとして準備しました。そして、試合のたびにチーム全員で「どの点を改善すべきか、どんな作戦をすればいいか」などを話し合いました。その結果、大学のフットサル大会で、念願の初勝利を果たすことができました。私はこの経験から何事にも向上心を持って挑戦することの大切さを学びました。入社後は仕事もかなりしんどいとは思いますが、自己啓発にも積極的に取り組み、さらに大きな人間になりたいと思います。」

【良い点】

文例⑦と同様、「向上心」をPRしています。「サークルの部長として課題解決のために具体的な行動をした結果、チームを初勝利に導いた」という story から筆者のリーダーシップ力やマネジメント力を読み取ることができます。また、「念願の初勝利」という表現によって当初から初勝利という目標を設定して努力を重ねたことも分かります。

【改善点】

文章の最後が「大きな人間になりたい」という個人の目標にとどまっているので、会社の中でどのように活躍したいかという仕事での目標に書きかえた方が、採用担当者の心に響きます。また、「しんどい」という言葉はややくだけた言葉なので、履歴書ではあまり使わない方がよいでしょう。

それでは、この文例を添削してみました。

修正例:『私は何事にも「向上心」を持って取り組みます。私はこの2年間、大学でベトナム人フットサルサークルの部長を務めてきました。チームには初心者が多く、当初は試合で勝つことが難しい状況でした。そこで、私はこのチームで勝つことを目指し、強くなる方法を考えて実行しました。具体的には、学内の他チームとの合同練習を毎週、企画しました。その際、練習方法を考えコートも予約し、部長としての責任を果たせるように努力しました。すると、メンバーたちの実力が少しずつ上がっていきました。それでもなかなか勝てませんでしたが、試合後に今後の改善点をチーム内で話し合い、練習に反映させました。こうした努力を2年近く続けた結果、最近の学内の大会でとうとう念願の初勝利を挙げることができました。入社後も向上心を大切にし、先輩方からも多くを学び、常に挑戦・成長し続けることで、貴社の発展に貢献したいと考えております。』

今回も履歴書の「長所」の文例3本を紹介し、添削や解説を行いました。あなたの履歴書で「長所・短所」について書く際の参考にしてください。

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