ブログ

公的機関等が宿泊型研修

指導02
2021年09月05日

By KOKORO(毎日新聞社+VAIJ主催、在ベトナム日本国大使館など後援)

 
国際協力機構(JICA)などが、新型コロナの影響などで日本で仕事を続けることが難しくなったベトナム人に宿泊型の育成研修(無料)を行っています。日本語教育のほかキャリア形成や日本での働き方などに関する講義を行い、日本での今後の仕事や帰国後のキャリアプラン作りに役立ててもらう狙いです。

JP-MIRAIの宿泊型研修

食堂で一緒に食事〈写真提供:日越ともいき支援会〉

研修を開催しているのは独立行政法人・国際協力機構(JICA)などが運営する「責任ある外国人労働者受け入れプラットフォーム:JP-MIRAI」です。元技能実習生や元留学生などで仕事がなくなり帰国も困難な人たちが研修に参加し、日本での再就職を目指しています。

研修期間は7月26日~9月17日。NPO法人「日越ともいき支援会」(東京都)とベトナム人にゆかりの深い「大恩寺」(埼玉県)の推薦で計24人が参加しています。仕事や生活に必要な日本語や日本文化、キャリアプランなどの講義があり、参加者はJICA東京センターに宿泊し、食事も支給されています。

日本語学習・技能研修

自習時間に問題集に取り組む参加者たち〈写真提供:日越ともいき支援会〉

日本で新型コロナ禍の中で再就職を目指す際によく活用されているのが特定技能制度です。ただし、技能実習3年間を円滑に修了して同じ職種の特定技能外国人になる場合以外は、日本語能力試験(JLPT)N4以上や技能試験などへの合格が必要です。研修では、職場や役所などでの場面を想定した日本語授業のほかJFT-Basic対策の指導も行われ、毎週日曜には模擬試験があります。

技能試験に関しては、飲食料品製造に関する講義やビルメンテナンスの体験学習が行われ、夕方の自習時間には「日越ともいき支援会」メンバーの指導で問題集などにも取り組んでいます。

キャリアプラン

講義の様子〈写真提供:JICA〉

研修内容は特定技能対策だけにとどまりません。大学教員による日本の企業風土や商慣習に関する講義、専門家による面接指導などもあります。また、日本で技能実習を終えて、ベトナムの日系企業で働いている先輩2人の話をオンラインで聞く講義もありました。

先輩実習生たち(電気関係1人、建築関係1人)の話では、▽技能実習で学んでいることを帰国後、どういう仕事に役立てたらよいか考えながら実習をしていた▽日本にいるときから、帰国後に応募する日系企業を探し、技術向上や日本語力向上に努めた――といった体験を聞き、将来プランを描きながら日本で働くことの大切さを学びました。また、人材会社の関係者から今後のさまざまなキャリアの可能性について教わりながら、1人1人がワークシートを作成し自分の将来を考える講義もありました。

自習、レクリエーション

JICA東京センターは東京都渋谷区にあり、JICAが海外の行政担当者などを招いて技術研修を行う際の宿泊施設ですが、新型コロナで受け入れがストップしており、今回の研修に使っています。今回の参加者には浴室付きの個室が割り当てられ、1日3回の食事は大きな食堂で一緒に食べます。また、毎週水・金曜の夜は、施設内の体育館でバレーボールや卓球、バドミントンなどを楽しんでいます。

参加者には若干の小遣いも支給され、泊まり込みで生活・学習をサポートをしている日越ともいき支援会の指導員(女性3人、男性5人)と一緒にコンビニなどに買い物に出かけることもあります。

研修の成果

参加者たちと日本人指導者〈写真提供:日越ともいき支援会〉

参加者の中には、再就職先が決まって先に卒業した人も9人います。多くは、最初はアルバイトとして勤務しながら日本語や技能試験の勉強を続け、特定技能への在留資格変更を目指しています。残り15人は9月17日に日越ともいき支援会や大恩寺に戻り、引き続き再就職先を探します。

JP-MIRAIとは

JICA東京センター〈写真提供:JICA〉

国際協力機構(JICA)は外務省管轄の独立行政法人で、日本政府が拠出する政府開発援助(ODA)の実施機関として開発途上国への援助を行っています。JICAなどが事務局となって2020年にできたJP-MIRAIは2021年2月に会員企業などとベトナム人失業者とのマッチングセミナー(オンライン)を開催したほか、外国人雇用の適正化を目指して日本の企業や関係者向けに啓発セミナーを続けています。

external link JP-MIRAI(日本語)
external link JP-MIRAI(Tiếng Việt)

まとめ

この研修では、日本語試験や技能試験への対策に加え、日本の企業文化やキャリアプランなどを教えています。海外勤務経験のある日本人が海外と日本での働き方の違いについて話す講義もありました。講義はJP-MIRAIの会員企業や会員弁護士、大学教員、元技能実習生などが担当してきました。

日本で仕事を失い帰国もできないベトナム人がたくさんいる中で、民間の支援団体や寺などが中心となって彼らの生活や再就職の支援を続けています。こうした中、公的機関が外国人の生活や再就職を支援(教育)する取り組みは画期的です。今回の経験を生かし、日本で働く外国人へのオンライン・キャリアセミナーを開くなど、今後の支援継続が望まれます。

 

人気記事ランキング

Platinum Sponsor

Bronze Sponsors

  • 弁護士法人Global HR Strategy
  • シューワ
  • エール学園

後援

  • 在ベトナム日本国大使館
  • 国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
  • JNTOハノイ事務所
  • 関西経済連合会
  • 公益社団法人 ベトナム協会
  • NPO法人 日越ともいき支援会
  • 一般社団法人 国際人流振興協会

協力

JASSO(日本学生支援機構)

外国人労働者弁護団

新着記事